イタリアのワイン2大銘醸地のひとつ、トスカーナを代表するワイン、ブルネッロです。トスカーナは赤ワインの生産割合が87%とかなり高い模様。イタリアワイン法上の最高格付け、D.O.C.G認定数11のうち、白ワインで認定されているのは、『ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ』のみ。赤ワインではキャンティやブルネッロ、カルミニャーノなどの銘醸地が目白押しです。そしてD.O.Cにボルゲリやサッシカイアが控えます。
そんな銘醸地の銘醸ワインをイタリアワインの帝王と呼ばれるガヤが醸造。おいしくない訳がない。今回はエノテカでいただきました。
ブルネッロは、「サンジョベーゼ・グロッソ」という、キャンティなどで使われている「サンジョベーゼ」の変異種を使って醸造されます。サンジョベーゼより果皮が厚く、大粒なのが特徴。よって、サンジョベーゼよりタンニンが多く、長期熟成向きの骨格のしっかりしたワインに仕上がります。
発酵はステンレスタンクで4週間。熟成は木樽にて24か月+コンクリートタンクにて6か月。スペインのグラン・レゼルバでも樽熟成は18ヶ月で良いので、どれだけ手間をかけているかが分かります。
外観はわずかにガーネットがかった、きれいなルビー色。アルコール度数が15%なので、ねっとりとした粘性があります。
香りはブラックチェリーやプラムなどの黒系果実を連想する果実香、タイムのようなハーブの香り、シナモン、砕石のようなスパイス香、それとけっこうな野性味を感じる血液、毛皮、マッシュルームなどの熟成香。香りからも密度と凝縮感を感じます。
味わいはその野性味に似合わないジューシーで甘酸っぱいチェリーも少しだけ感じますが、支配的なのは力強く、存在感のあるタンニンと、それに支えられた強固なテクスチャー、にもかかわらずのシルキーさ。パワフルでスケールが大きいにも関わらず、フレッシュさもあり、シルキーで甘やかだったりもする、この背反する要素が見事に溶け込んでいる当たり、さすがガヤ!とも思うし、やっぱりブルネッロはやめられないなーとも思う。本当に美味しい。高級なフランスワインはどこか埃っぽいというか、寝かせてるカーヴってこんなにおいがするんだろうなって湿っぽさを感じることが多いんですが(そこが深遠さにつながっている部分でもありますが)、イタリアは高級ワインでも明るいキャラクターで、荘厳さがありながらも親しみやすさがあって、そこが私はすごく好きです。
価格は高いですけど、そこまでの価値があるワインです。バイザグラスで飲めるような機会がありましたら、ぜひ飲んでいただきたい!
ではアニッチャ!!!
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