ベイラ ソーヴィニヨン・ブラン 2021/ベイラ

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 初めてのポルトガルのソーヴィニヨン・ブラン。ポルトガルのワイン自体、あまり馴染みがないんじゃないでしょうか。私はほとんど飲んだことありません。酒精強化ワインのポートやマデイラの方がまだ飲む機会があるように思います。2018/2019年のデータだと、ワインの年間産出量が約606万hLで、そのうちD.O.P.酒精強化ワインが約89hLという事なので、15%近くがD.O.P.酒精強化ワインという事です。あれ?思ったより少ないぞ。。。ちなみにD.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)とは、EUにおける「原産地呼称保護制度」のことで、ワイン以外にもチーズやオリーブオイルなどのさまざまな食品や農産物が表示対象です。産地ごとの製造法を守って、その土地の気候や風土を反映しているよーって認められたものだけが、D.O.P.を表示できます。

 またポルトガルはコルクの主要な輸出国で、世界のコルクの約50%がポルトガル産です。コルクでワイン文化に多大なる貢献をしているうえ、国民一人当たりのワイン消費量は世界最多で、62L/年(2018)とのこと。飲みすぎなんじゃ、、、飲まない人、病気等で飲めない人を差し引いたら、実際の一人当たり消費量が恐ろしいことになっている気がします。

 「ワインの稲葉」にこのワインの紹介がありました。

ソーヴィニヨン ブランの畑の標高は750m、土壌はシストです。手摘みで収穫した葡萄はセラーに運んだ後、100%除梗し、プレスします。ステンレスタンクで16~17度にコントロールしながら約20日間発酵させます。発酵後、澱と共に熟成させます。その間、バトナージュを行い、澱を攪拌します。瓶詰後、5ヶ月ボトルで熟成させます。グレープフルーツやライムなど柑橘類の清涼感のあるアロマにタンジェリンオレンジの皮やパッションフルーツの要素が混ざります。口当たりは非常にフレッシュで、フレイバーの中にも柑橘系果実の要素、さらにかすかにジンジャーを思わせるニュアンスがワインにアクセントを与えています。

ワインの稲葉

 外観は若干薄めのレモン色。輝きの強さから豊富な酸が想像できます。

 香りはスーパーフルーティー。ソーヴィニヨンブランはこうであってほしいという、一つの理想形のような香り。稲葉の紹介にもあるように、支配的なのはグレープフルーツやパッションフルーツ。もうそのものなんじゃないのってレベルです。そこにミントなどのハーブの清涼感もあり、石灰のようなミネラルも少々。

 味わいはフレッシュ。これもソーヴィニヨンはこうあってほしいの理想形です。ドライではつらつとした酸に爽やかな味わい。

 私はいいソーヴィニヨンを飲むと、よく高原にそよぐ風をイメージするのですが、そのイメージはモネの『日傘をさす女性』そのものです。 

 フレッシュ&フルーティーのお手本のようなワイン。

 高い点を付けるワインは深遠さのある高級ワインばかりになってしまいそうなので、思い切ってこれに4.5点を付けたいと思います。

 ソーヴィニヨンは酸化に弱くて香りが飛びやすい部分には注意が必要です。私は普段、バキュバンでワインを保存していますが、このワインを特徴づけるフルーティーな香りは2日で弱くなりました。その辺もフレッシュ&フルーティーなのでご注意を!

 それではアニッチャ!!!

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