MAKINA NAKIJIN-マキナ ナキジン-に泊まってみた(2023年11月)

旅行

 11月中旬、沖縄の今帰仁村にある、MAKINA NAKIJIN-マキナ ナキジン-に泊まってきました。率直に言って人生最高の宿でした。泊まる人を選ぶとは思いますが、私にとってこれ以上のところはないんじゃないかと思う程、刺さりまくり。素晴らしい経験でした。

MAKINA NAKIJIN

 着いて最初に撮った写真がこれ。

 エントランスを抜けると見える絶景。沖縄の空と海。青すぎる。というか蒼すぎる。

 そんな風景を眺めながら、オーナーに建物の説明を受けます。

 それぞれの部屋が独立しているので、どこに行くにもその都度、外気に触れるような設計です。安藤忠雄の住吉の長屋と同じ構造。磯崎新設計のハラミュージアムアークもそうですね。

 人間の感覚、特に嗅覚はすぐ馴染んで何も感じなくなるので、ある季節・ある時間の空気を感じるのは、それに触れる瞬間、日常的には家やコンビニを出る瞬間だったりする訳ですが、それを断続的に起こし続けて、常にその季節・その時間の空気を感じるようにできています。普通に生活していたら遮断されて触れることが無いかもしれないその季節・その時間でしかありえない空気に触れることによって、今まで気づかなかった・ずっと忘れていた感覚や記憶が喚起されます。そんな発見のある、行ったら何かが変わるかもしれない可能性を持った建築。すばらしいです。

 図面上の『アトリエ』はオーナーが管理のために使っているようなので、宿泊客が使う部屋は『リビング』『キッチンダイニング』『ベッドルーム-光‐』『ベッドルーム-陰-』『WC・バスルーム』です。

 出入りは建物北側から。植栽の中にある看板。緑豊かな植栽のアプローチを通って建物へ向かいます。石畳が終わったところで靴を脱いで、用意されている上履きに履き替え。

 建物北側。建物に沿って回り込むと、海に向かって開けた絶景が!最初の写真の景色が広がります。なかなか絶妙な位置に池があるので、酔っぱらいは足元注意!

 各部屋はこんな感じで配置されています。手すりが設置されていないので自己責任でとは言われますが、屋上にも登れます。

 屋上からの眺めも絶景です!古宇利島方面が東なので、ヨガをやっている人はそっちを向いて朝日を浴びながらヨガをするとの事。最高でしょうね。

 着いて早々、お風呂に。お湯がたまるまで40分程度必要です。杉本博司の江之浦測候所を思わせる、海に向かってせり出した構造。

 お湯ため中。自然界には存在しない水平垂直、それによって切り取られた有機的な自然。変わらないものと移ろいゆくもの。変わり続ける自然を眺めながら、ただお湯に浸かる。これ以上、何をすることがあるだろうか?

 壁と床の質感がものすごくいい。沖縄は台風が直撃しがちな地理的条件のため、木造よりコンクリート造の建物が多くて、そのため左官の技術が発達しています。これも漆喰?モルタル?に地元の何かを混ぜて(オーナーに説明してもらったのに失念!)この色と質感を出していると。

 沖縄の蒼と強烈なコントラストが美しすぎるのですが、写真ではまったく表現できないので、ぜひ現地で確認してみてください。

 シャワーとアメニティだけ切り取っても絵になる。

 かっこよ。。。

 シャワー室の前に洗面所があります。かっこよ。

 リビング。開口部は全開にすることが可能。通り抜ける沖縄の風が最高。前面は海に向かって開けています。

 キッチン。ここも3方開口があるので、風を感じながら食事ができます。小ぶりなワインセラーもあって、シャンパーニュ、白、赤、オレンジワインが少々。私が泊まった時は、ニュージーランドのクラウディーベイが複数種ありました。

 ベッドルーム‐光‐。ここは東がガラスになっているので、朝日とともに目覚めることができます。壁面にディスプレーされているのは建築や家具の本、枕元にある小物もとても良いテクスチャー。

 ベッドルーム‐陰‐。枕元に陰翳礼讃。ここからコンセプトが伺い知れます。ゆっくり休みたい場合はこっちのベッドルームですね。私たちは1日目は‐光‐、2日目はこの部屋を使いました。

 部屋の小物もすごくいいんですが、壁に展示してある作品は特に素晴らしい。

 そんなこんなで、1日目の夕飯を頂きます。

 日が落ちて手元が見えなくなるまでは、外で夕食を。今回は2日とも出張シェフを頼んでもらいました。キッチンでシェフが作って外に運んでいたので、『足元暗いですけど、つまづいて料理ぶちまけたことは無いんですか?』と聞いたところ、まだそのような経験は無いとのことなので、外でも安心して頂けます。

 暗くなってからはキッチンに移動。器もすべて美しい。地元、沖縄の陶芸家の器を使っているとの事。料理もおいしくいただきました!

 食後はリビングでゆったりと。部屋の真ん中に鎮座するのは『バイオエタノール暖炉』。これがすごく暖かい!炎の揺らぎを見ているだけで落ち着く!窓を開けて沖縄の風を感じつつ、暖炉のぬくもりを堪能。。。ゆっくりと贅沢な時間が流れていきました。

 またリビングには数分に一回稼働するアロマディフューザーが設置されていて、これも素晴らしくて。ディフューザーからの香りって通常、単体の香りというか、複数の香りがブレンドされていてもそれが同時に香ってしますが、ここの香りは『ベースノート→ミドルノート→トップノート』と、時間経過とともに変化します。複雑性のある高級ワインのよう。それもあって本当に落ち着きます。

 こちらにあった高級ディフューザーは買えませんでしたが、帰ってきてすぐ、構造が同じネブライザー式ディフューザーを注文。暖炉も欲しかったですが、、、賃貸住みにて断念。

 夜のお風呂はこんな雰囲気に。お湯たまってないので、中途半端ですが。浴槽の照明は座面の下にあるので、お湯をためるとジェームズ・タレルの『光の館』のような雰囲気に。また浴室入り口にもリビングより小型のバイオエタノール暖炉があって、体を優しく温めてくれます。

 朝。

 夜のうちに雨が降って、床に少し水たまり。そこにうつりこむ空。

 葉が落ちて。少し風が吹くとカサカサと葉がすれる音。ここに宿泊しなかったら気づかなかったものです。この静けさと繊細さは内藤礼さんの『母型』を彷彿とさせます。

 朝の光。

 朝食はオーナーにケータリングしていただきました。スパイスのしっかり効いたカレーで体もしっかり目覚めます。

 この日は海のアクティビティーを予定していましたが、荒天で中止に。美ら海水族館に行って2時過ぎには戻ってきてしまいました。

  夕飯まで暖炉にあたりながら、ゆっくり過ごします。炎が揺らぐことによって伝わる熱にムラができ、それがまた心地よい。

 2日目の夕食。前日とは違うシェフにきていただきました。前日のシェフが洋食を得意としていることを知っていたようで、和食を用意してくれました。牛肉の火入れが特に素晴らしく、火入れって学校とか先輩に教えてもらえるものなんですかと尋ねたところ、教えてはもらえるけど最後はその人の感性とおっしゃっていました。確かに厚みも調理開始時の温度も同じことなんてないですからね。ごちそうさまでした!

 3日目の朝。古宇利島方面にさす光。

 朝食のケータリング、ひとつは前日と同じカレー、もうひとつはなにがしかのチャンプルーにしましたが、ビジュアルはあまり変わりませんね。どっちも美味しかったです!

 チェックアウトまでゆっくり暖炉で暖まりつつ、読書をしたり瞑想したり。

 といった感じで、本当に、本当に最高の2泊3日でした。帰るときには今まで感じたことが無いほどの名残惜しさ。また遊びに来ると心に誓って帰りましたとさ。

 そんな最高な宿ですが、唯一の注意点が

虫が多い

 という事です。お風呂・洗面は密閉もされていないので、中にも入ってきます。時期にもよると思いますが。そんな事もあって、虫取りのホウキと虫を入れる容器が準備してあって、オーナーから使い方の説明を受けます。

 ホウキの隣の容器に虫を入れると、上がってこれない構造になっています。女性だけで泊まる場合は虫要員を用意しておく必要があるかもしれません。

 今回、羽田からスカイマークで沖縄まで移動しましたが、大人片道一人¥14,000弱。東京から金沢まで新幹線で移動した場合の金額と変わりません。時間を選べばスカイマーク等のミドル・コスト・キャリアでも¥10,000を切ります。もっと気軽に遊びに行ってもいいところですね、沖縄。

 そんな、私にとって現時点での人生最高の宿のご紹介。オーナーには飽きて売ったりすることなく、末永く本当に大事にしてもらいたい建物でした。管理大変でしょうけど、頼みます、オーナー!また遊びに行きますから!!!

 そんなわけで、にふぇーでーびる!!!

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