ほぼ津上さん ながれゆくひとの流れ、まちの流れ、ときの流れ

アート

 アーティゾン美術館で開催されたワークショップ、『ほぼ津上さん ながれゆくひとの流れ、まちの流れ、ときの流れ』に参加してきました。講師は現在、アーティゾン美術館で開催中の「アブストラクション展」にも作品を出展している、アーティストの津上みゆきさん。参加者は20名弱、応募多数で抽選だった様ですが、運よく当たりました。ワークショップへの参加は人生初です。

 ワークショップは16時~19時までの3時間。そして課題は3点。

  1. テーブルにある画用紙に、朝起きてからアーティゾン美術館に着くまでの間に見た、印象に残った景色を記憶だけを頼りに描き起こす(画材は何を使っても何)
  2. 上記スケッチを音に例えた場合の音を鉛筆で表現
  3. アーティゾン美術館周りを各自スケッチ(1時間弱)

 自分が描いたものは、みんなの前で発表、それについて津上さんが講評をしてくれます。

 スケッチに関しては下記のルールがありました。

  • 一人で行動する事
  • すべての描いた線を肯定する事→消しゴムは使わない
  • 見て書くこと→カメラは使わない

 別途、好みで文字や思ったこと、場所・時間などの書き込み可。

 津上さんが事前に、『すべてYESと肯定する事。線に失敗なんか無い。』と強調してくれたことによって、迷うことなく思うままにスケッチできたと思います。そしてそれはおそらく、他の参加者も同じで、結果として多様性に富んだ、誰一人として同じものを描かない(モチーフとしては同じものはありましたが)スケッチとなりました。

 この多様性や個性に気づけて、本当に参加してよかった。そして自分が見ている世界、自分の視点で見ている世界というのは、世界の本当に極々一部でしかなくて、独りよがりでちっぽけな世界の見方なんだと痛感しました。世界は自分が思っているより、はるかに広い。ワークショップは3時間程度でしたが、私にとっては世界の見方が変わってしまう程の衝撃でした。

 世界は一つしかないかもしれないけど、その捉え方次第で無限に世界はあるのだと。

 人によってモチーフも描き方も伝え方もまったく違いました。街中なのでビルやサイン、街路樹など何人か描いていたモチーフもありましたが、それでも全然違う。文章を添えたり、中心となるモチーフのみを描いていたり、擬人化したり、俯瞰してみたり。発表も何を描いたのかのみを端的に語る人もいれば、それを描くに至るまでのストーリーを語る人、モチーフ選びの迷いを語る人もいました。

 都会でのスケッチなので、似たり寄ったりになるのかと事前には思っていました。実際は同じものなど一つもなく、気づかされのは自分の枠組みでしか世界を見ていなかった自分の小ささでした。同時に個性を尊重すべき理由が腑に落ちました。これに気づいていなかったら、他の人の考えや趣味嗜好を無自覚に批判し続けていたと思います。そんなの無意味でした。見えている世界が違うんだから。だからこそ、お互いがお互いの小さな世界にいることを理解した上で、それを分かち合って、ちょっとでも世界が広がって違った景色を見ることができるとするなら、それほど素晴らしいことはないなーと思った次第。ほんの少しだけでも世界を広げる、それってアートそのものですね。。。

 そんな素晴らしいワークショップでした。ちなみにスケッチに使用したのは津上みゆき仕様の特注モレスキン。現状、200冊しか作っていない、津上さんのサイン入りノートらしく、お土産として各自持ち帰りました。ありがとうございます!

 それではアニッチャ!!!

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